感染性胃腸炎受診の目安(主に小児対象)

こんな症状があったら受診しよう!


脱水がひどい


  • 調子が悪そう・ぐったりしている
  • 刺激に過敏に反応・反応が鈍い・おかしい
  • 目が落ちくぼんでいる
  • 呼吸が速い・脈が速い
  • 皮膚の張りがいつもよりない
  • 手足が冷たい
  • 手足の色が悪い
  • 尿が出ない・極端に少ない
  • 汗が出ない
  • 泣いても涙が出ない
  • 唇がかさかさに乾燥している


これから脱水がひどくなりそう


  • 嘔吐が半日止まらない
  • 下痢の量が大量


特別注意が必要な人


  • 糖尿病・腎臓病・心疾患・代謝性疾患など基礎疾患がある
  • 生後2ヶ月未満の赤ちゃん


胃腸炎以外の症状が強い(胃腸炎以外の可能性がある)


  • 生後3ヶ月未満&38℃以上の発熱
  • 吐いたものの色が黄色・緑・赤
  • これまでにも嘔吐を繰り返した事がある
  • 間欠的な腹痛
  • 激しい腹痛(泣き叫ぶ、身体をくの字に曲げる、歩くと響くなど)
  • 右下腹部痛(特にみぞおちや上腹部から移動してくる痛み)
  • 便の色が赤い・黒い

注意事項

主に小児を対象にして書いていますが、大人にも応用がききますので参考にどうぞ。
個人差があります。上記はあくまで目安であり、他にも気になる症状があったり心配な事があれば、かかりつけなどに相談、受診を検討してください。





解説

健康な大人の場合、小児より脱水への耐性(というか予備能)がありますので、半日程度の嘔吐があっても余裕のある方もいます。もちろん飲んだ物を全部吐くようであれば脱水が起こりますので、受診を検討してください。

何もしなければ脱水になりますので、ぜひ経口補水液などを常備し、嘔吐が始まったらスプーン1杯ずつ、5分おきから水分摂取を開始してください。経口補水液が無い場合は作ることもできます。
家でできる簡単な経口補水液(ORS)の作り方〜WHOの自作レシピ〜

どんなに適切に経口補水療法を行っても、乳幼児は特に脱水を起こしやすいため、点滴が必要になる事があります。ほんの少しずつ飲ませても吐いて吐いて元気がなくなってきたな……と心配になったら、まずはかかりつけにご連絡ください。

夜間など、受診に悩んだ時は日本小児科学会が作成している「こどもの救急」のサイトや#8000も参考にしてください。
こどもの救急(ONLINE-QQ)
小児救急電話相談
 (#8000をプッシュすれば自動でお住まいの都道府県窓口に転送されます)
  http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

今回あげた内容は、「小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017年版」の危険信号(Red Flag)を基本にし、家庭で見つけられる脱水のサインを追加し、内容を一般向けに書き直したものです。
この症状がなければ受診するな、という意味ではなく、あくまで「家で看てたけど、受診しようかどうしようか」という時の受診の目安として参考にしてください。他にも気になる症状があれば受診しましょう。

参考文献など

小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017年版


(記事は下へ続きます)
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